甲状腺のしこり|わかば甲状腺クリニック|坂戸市関間の内分泌内科・内科

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甲状腺のしこり

甲状腺のしこり|わかば甲状腺クリニック|坂戸市関間の内分泌内科・内科

甲状腺のしこり

のどに両手を当てる女性

首に「しこり」が見つかると、「もしかして、がん(悪性腫瘍)ではないか?」と強い不安に襲われることと思います。
まず、一番大切なことを最初にお伝えします。甲状腺にできるしこりの約90%は「良性」であり、命に関わることは稀ですが、適切な診断と経過観察が重要です。
しかし、残りの数%には治療が必要な「悪性(甲状腺がん)」が含まれていることも事実です。重要なのは、「良性か悪性か」を自己判断せず、専門的な検査で白黒はっきりさせることです。

甲状腺のしこり(甲状腺腫瘍)とは?

甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にある「蝶々」のような形をした臓器です。ここにできるコブのようなものを総称して「甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)」と呼びます。

この病気は非常にありふれており、超音波(エコー)検査などで詳しく調べると、成人の10〜20%、女性に限ればさらに高い割合で見つかると言われています。「しこりがある=珍しい病気」ではありませんので、まずは落ち着いて読み進めてください。

【良性】と【悪性】の種類と確率

しこりには、大きく分けて「良性」と「悪性」の2つのタイプがあります。

1.良性のしこり(全体の約80〜90%)

基本的に転移したり命を脅かしたりすることはありません。

  • 濾胞腺腫(ろほうせんしゅ):甲状腺の細胞が増殖してできた、袋に包まれた腫瘍です。
  • 腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ):甲状腺の中に、大小さまざまな結節(しこり)が複数できている状態です。最もよく見られるタイプです。
  • 甲状腺のう胞(嚢胞):袋状の組織の中に、サラサラした液体やゼリー状の液体が溜まったもので、これ自体ががん化することはありません

2.悪性のしこり(甲状腺がん)(数%〜10%程度)

いわゆる「がん」ですが、他のがんに比べて進行がゆっくりで、治りやすい(予後が良い)タイプが多いのが特徴です。

  • 乳頭(にゅうとう)がん:甲状腺がんの約90%を占めます。進行は遅く、リンパ節転移はしやすいものの、適切な手術を行えば命に関わることは稀です。
  • 濾胞(ろほう)がん:乳頭がんに次いで多いタイプです。濾胞がんは、細胞診でも良性の「濾胞腺腫」との区別がつかないことが多いため、手術後の病理検査で最終診断されることがあります。腫瘍の大きさや血液検査(サイログロブリン値)、エコーでの血流などを総合的に判断し、手術を検討します。
  • 未分化(みぶんか)がん:極めて稀(1〜2%)ですが、非常に進行が早く、緊急の対応が必要です。高齢者に多く見られます。

痛みはある?自覚症状のチェック

ここが重要なポイントですが、甲状腺のしこりは、良性であっても悪性であっても、ほとんどの場合「痛み」がありません

「痛くないから大丈夫だろう」と放置するのが一番危険です。逆に、以下のような症状がある場合は、しこりが周囲の臓器(気管や神経)に影響を及ぼしている可能性があるため、早めの受診が必要です。

注意すべきサイン

  • 声が枯れる(嗄声:させい):しこりが声帯を動かす神経(反回神経)に影響している可能性があります。悪性を疑う重要なサインになりえます。
  • 飲み込みにくさ(嚥下障害):食事の際に違和感がある場合、しこりが食道や気管を圧迫している可能性があります。
  • しこりが急に大きくなった:短期間で目に見えて大きくなる場合は、のう胞内出血や、稀ですが未分化がんの可能性があります。
  • しこりが硬く、動かない:石のように硬く、周囲の組織に固定され触ってもゴツゴツして動かない場合は注意が必要です。

注意:甲状腺がんは進行が非常に緩やかであるため、これらの症状がなくても、健康診断での指摘があれば放置しないでください

診断のための検査:エコーと細胞診

「しこりが良性か悪性か」を判断するために、当院では以下のステップで検査を行います。

1.超音波(エコー)検査

診断の要(かなめ)となる検査です

痛みも被曝もなく、妊婦さんでも受けられます。 プローブ(探触子)を首に当てるだけで、数ミリ単位の小さなしこりまで発見でき、形や血流のパターンから良性・悪性の可能性を高い精度で推測できます。

悪性を疑うエコー所見の例

  • 形がいびつで、周囲との境界がギザギザしている
  • 内部に微細な砂のような石灰化がある
  • 縦横比がいびつ(縦長)である

2.穿刺吸引細胞診(せんしきゅういん・さいぼうしん)

エコー検査で「悪性の疑いがある」と判断された場合に行う精密検査です。しこりに直接、採血用の細い針を刺して細胞を吸い出し、顕微鏡で顔つき(良性か悪性か)を判定します。

  • 痛みについて:チクリとする程度で、麻酔なしで行えることがほとんどです。
  • 時間:検査自体は数分、ないし採血と同じくらいの短い時間で終わります。
  • 精度:非常に高い診断精度を誇りますが、濾胞がんなど一部のタイプは手術まで確定診断が難しい場合があります。

甲状腺のしこりに手術は必要?

良性の場合:経過観察が基本

良性と診断されれば、原則として手術や薬による治療は不要です。ただし、しこりの大きさが変化しないかを確認するため、半年〜1年に1回程度のエコー検査(定期検診)を推奨しています。

※しこりが非常に大きく(4cm以上など)、首の圧迫感が強い場合や美容的に気になる場合は、良性であっても手術やエタノール注入療法(PEIT)を行うことがあります。

悪性(がん)の場合:主に手術

甲状腺がんは、抗がん剤や放射線治療が効きにくいため、「手術で取り除く」ことが第一選択となります。がんの大きさや広がりによって、甲状腺を半分切除するか、全部摘出するかを決定します。

新しい選択肢:アクティブ・サーベイランス(厳重に経過観察をする)

近年、1cm以下の微小な乳頭がんに関しては、すぐに手術をせず、厳重に経過観察をする(大きくなったら手術する)という方針も世界的に認められつつあります。ご高齢の方や手術のリスクが高い方には適した選択肢です。

不安を解消するために、まずは「エコー検査」

甲状腺のしこりは、触っただけでは良性か悪性か分かりません。「もしかしたら…」と悩みながら毎日鏡を見るよりも、一度専門医を受診して、エコー検査を受けることを強くおすすめします。

エコー検査を受ければ、「これは水が溜まっているだけの『のう胞』ですね。心配ありません」「良性の顔つきですが、念のため半年後にもう一度見せてください」といった具体的な診断がその場で得られ、心の重荷がすっと軽くなるはずです。

当院へご相談ください

当院では、甲状腺診療に特化した経験豊富な医師が、最新の超音波機器を用いて精度の高い診断を行っています。

  • のどぼとけの下に違和感がある
  • 健康診断で「要精密検査」と言われた
  • 親族に甲状腺がんの人がいる

このような方は、ぜひお気軽に当院へお越しください。痛みの少ない検査と、丁寧な説明で、あなたの不安を解消し、最適な治療方針をご提案いたします。

また以前、他院や検診で『しこりがある』と言われたままになっている方も、ぜひ一度エコー検査を受けにいらしてください。数年の変化を確認することが、最も確実な診断に繋がります(過去の検査結果がある方はぜひお持ちください)。