甲状腺ホルモン異常と不妊|わかば甲状腺クリニック|坂戸市関間の内分泌内科・内科

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甲状腺ホルモン異常と不妊

甲状腺ホルモン異常と不妊|わかば甲状腺クリニック|坂戸市関間の内分泌内科・内科

甲状腺ホルモン異常と不妊

眉間に手を当てる女性

「不妊治療を続けているけれど、なかなか結果が出ない」「妊娠しても、初期流産を繰り返してしまう(不育症)」「生理不順が続いていて、妊娠できるか不安」もし、このようなお悩みを抱えているなら、その原因は子宮や卵巣ではなく、喉ぼとけのすぐ下にある「甲状腺」にあるかもしれません。
実は、甲状腺ホルモンと妊娠には密接な関係があります。甲状腺の機能に異常があると、排卵障害や着床障害を引き起こすだけでなく、流産のリスクも高まることがわかっています。
しかし、決して諦める必要はありません。甲状腺の病気は、適切にコントロールさえすれば妊娠・出産が可能だからです。当院ではそんなお悩みを抱える方の治療・サポートをいたします。

なぜ「甲状腺」が妊娠に関係するのか?

甲状腺ホルモンは、全身の細胞を活性化させる「元気の源」のようなホルモンです。これは、妊娠を司る生殖器(卵巣や子宮)にとっても不可欠なエネルギー源です。

甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、脳から卵巣への「排卵しなさい」という指令がうまく伝わらなくなったり、妊娠を維持するためのホルモン環境が整わなくなったりします。

その結果、以下のような不妊のリスクが生じます。

  • 排卵障害:生理不順や無排卵月経の原因になります。
  • 黄体機能不全:妊娠を維持するための「黄体ホルモン」が出にくくなり、着床を妨げます。
  • 流産・早産率の上昇:妊娠を維持する力が弱まり、流産のリスクが高まります。

「潜在性甲状腺機能低下症」という隠れた敵

これは、「明らかに病気というほどではないが、健康な人に比べると少し甲状腺の働きが弱い」状態を指します。一般的な健康診断では「正常範囲内」と判定されることが多いのですが、「妊娠を目指す女性」にとっては、この軽度の低下が大きな壁となることがあります。

妊娠に必要な「TSH 2.5」の壁

甲状腺の働きを見る指標に、脳から出る指令ホルモン「TSH」という数値があります。一般的な基準値は「0.5〜5.0μIU/mL」程度ですが、妊娠を希望される方の場合、この基準はもっと厳しくなります。

妊娠に必要な「TSH」の基準

甲状腺の働きを見る指標に、脳から出る指令ホルモン「TSH」という数値があります。一般的な基準値は「0.5〜5.0μIU/mL」程度ですが、妊娠を希望される方の場合、この基準はより慎重に検討されます。

かつては「TSH 2.5μIU/mL未満」が一律の目標値とされてきました。しかし近年の研究では、2.5〜4.0μIU/mL(正常高値)の方への投薬が必ずしもすべての方の妊娠率を改善するわけではない、という報告も出始めています。そのため現在は、「一律に2.5以下を目指す」のではなく、抗体の有無やこれまでの不妊治療の経過をふまえ、個別に治療の必要性を判断するのが世界的な動向です。当院でも、最新の知見に基づいたオーダーメイドの管理を行っています。

甲状腺機能低下症(橋本病など)と不妊・流産

甲状腺ホルモンが不足していると、卵胞の発育が悪くなり、未受精や着床不全の原因となります。また、妊娠できたとしても、以下のようなリスクが高まることが知られています。

  1. 流産率の上昇:甲状腺ホルモン不足は、初期流産の大きな要因の一つです。不育症(2回以上の流産)の方を検査すると、高い確率で甲状腺機能低下が見つかります。
  2. 胎児の発達への影響:妊娠初期の赤ちゃんは、自分で甲状腺ホルモンを作ることができません。赤ちゃんの健やかな発育をサポートするためにも、お母さんの適切な甲状腺機能の管理が大切です。

治療法:不足分を補えば大丈夫

この甲状腺ホルモンのお薬は、もともと体内にあるホルモンと同じ成分ですので、妊娠中も授乳中も安心して服用でき、赤ちゃんへの悪影響もありません。お薬で数値を適切な範囲に安定させることが、元気な赤ちゃんを産むための大切な土台作りとなります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)と不妊

逆に、甲状腺ホルモンが出すぎてしまうバセドウ病の場合も、月経周期が乱れたり、排卵が止まったりすることで不妊の原因になります。

また、ホルモン値が高いまま妊娠すると、妊娠高血圧症候群や早産、胎児の発育不全などのリスクが高まります。

治療法:妊娠に適したお薬への変更

バセドウ病の治療薬の中には、妊娠初期(赤ちゃんの臓器が作られる時期)に避けたほうがよい種類があります。そのため、妊娠を計画している段階、あるいは妊娠がわかった直後に、胎児への影響が少ないお薬への切り替えを行う必要があります。

※自己判断で薬を止めるのが一番危険です。必ず主治医と相談してください。

不妊治療クリニックに通っている方へ

現在、不妊治療専門のクリニックに通院中の方も多いかと思います。多くの不妊治療クリニックでも甲状腺の検査(TSHの測定)は行われますが、数値に異常があった場合、より専門的なコントロール(投薬量の微調整)は、内分泌・甲状腺の専門医に任されることが一般的です。

チェックリスト:あなたは検査を受けるべき?

もし以下のような項目に当てはまる場合は、一度詳しく甲状腺の検査を受けることを強くおすすめします。

  • 原因不明の不妊と言われている
  • 過去に流産をした経験がある
  • 月経不順や無排卵がある
  • 疲れやすく、冷え性がひどい(低下症の疑い)
  • 暑がりで汗をかきやすく、動悸がする(亢進症の疑い)
  • 家族に甲状腺の病気の人がいる
  • 以前、健康診断で「甲状腺が少し腫れている」と言われたことがある

甲状腺ケアは、赤ちゃんを迎えるための「土台作り」

不妊治療は、精神的にも身体的にも大きな負担がかかるものです。「またダメだった」と落ち込むその原因が、もし甲状腺のホルモンバランスにあったとしたら、それは適切な治療によって改善できる可能性があります。

甲状腺機能異常の治療を行うことで、

  • 排卵のリズムが整う
  • 流産のリスクが下がる
  • 赤ちゃんに十分な栄養(ホルモン)を届けられる

こうした「妊娠しやすい土台」を作ることができる可能性があります。
これは、未来の赤ちゃんを迎えるための大切な準備です。

妊娠を希望される方は、ぜひ当院へ

当院は、不妊治療中の方や、これから妊娠を望む女性の甲状腺診療に力を入れています。

「TSHの値を詳しく知りたい」「不妊治療中だが、甲状腺の薬を飲んでいいか不安」

どのような悩みでも構いません。私たちは、単に数値を正常にするだけでなく、「元気な赤ちゃんを抱くこと」をゴールに見据え、全力でサポートいたします。
まずは一度、お気軽にご相談にいらしてください。

不妊治療クリニックでの採血結果(TSHやFT4の値がわかるもの)をお持ちいただければ、よりスムーズな診断が可能です。まだ検査を受けていない方も、当院で検査から行えますのでご安心ください。